第5回「参加のためのコミュニケーショントレーニング 1」

〜 相互理解のためのコミュニケーションと合意形成 〜

と き:平成14年1月11日(金)9:00〜12:00
ところ:市役所 南庁舎
参加者数:26人、事務局2人、コンサル3人

ねらい
● コミュニケーションは「伝える」、「聴く」、「考える」の3要素からなり、効果的なコミュニケーションは、この3つの技術を高めることが重要であることの理解。
● 実際の自分のコミュニケーションをふりかえる。
● 「伝える」、「聴く」、「考える」技術を学ぶ。
プログラムの流れ
(1)前回までのふりかえりと今回のねらい
ファシリテーターの山中から、前回までのふりかえりと今回のねらいについて説明しました。

<前回までのふりかえり>
○ 実効性のある環境基本計画をつくるため、「参加型ワークショップを体験し学ぶ」、「環境基本計画とは?」、「持続可能な開発と相互依存性」、「環境まちづくり研究会の担う役割(ミッション)」、「市民参加の必要性」を学んできました。

<今回のねらい>
○ 効果的な「コミュニケーション技術」を身に付けるため、コミュニケーションの基本となる、「伝える」、「聴く」、「考える」という3要素を学びます。
(2)こだわりの物語 〜 2分間メッセージと傾聴 〜
2人1組になり、自分自身の「こだわりの物語」を2分間のメッセージにまとめ、お互いに発表し合いました。

<ポイント>
@ 聴いていると言いながら、後で覚えていない様な聴き方を本当に聴いているというのかどうか確認します。
A 普段、「傾聴」という聞き方をしているかどうか?
B 「傾聴」という聴き方をされてみてどうだったか?
C 「傾聴」は、以下の3点に注意して行います。
・質問しないで聴く
・相手に心を寄添わせながら聴く
・全身で共感しながら聴く

<進め方>
@ 各自「自分はどのように生きたいと思っているか」「自分はこんな風には生きたくない」について、2分間のメッセージにまとめます。
A 2人1組になり、話し手と聴き手を決めます。話し手は2分間で自分の意見を伝えます。聴き手は「傾聴」という方法で聴きます。
B 聴き手は、1分間で話し手の意見をそのまま振り戻します。話し手の意見が聴き手に正しく伝わっていない場合、説明を付け加えます。
C 話し手と聴き手を交代して、同じ作業を行います。

傾聴の様子 @ 傾聴の様子 A

<感 想>
● 自分のこだわりは自分の中で消化されていることなので、2分間で伝わったと思います。
● 2分間で自分の考えをまとめるというのは、長いような、短いような非常に難しい感じがしました。
● 相手に言いたいことを伝えるためには、キーワードが重要ではないかと思いました。
● テーマが「自分がこだわっていること」なので非常に答えやすく、2分間でまとまったと思います。
(3)みんなでやりたい! 〜 暗黙の了解と落とし穴 〜
グループに分かれ、コミュニケーションを一切とらずに動物のちぎり絵をつくり、「コミュニケーションをとらないとどんなことが起こるか」発表し、全体で共有しました。

<進め方>
@ グループに分かれ、5種類の動物(キリン、カメ、クジラ、ゾウ、ウサギ)の中からちぎり絵で何をつくるか、またつくる順番も決めました。
A 各グループで決めた動物とつくる順番に従って、言葉、動作等のコミュニケーションを一切とらずに、新聞紙を使ってちぎり絵をつくりました。
B 他のグループのちぎり絵を、ギャラリー方式で見て回った後、グループ内で自分の意図が次の人に伝わっていたか、確認し合いました。

ちぎり絵をつくる様子 他のグループを見て回る様子

C 今度は、他人には教えず、自分でつくりたい動物を決めました。
D Aと同様、コミュニケーションを一切とらずに各グループ内でちぎり絵をつくりました。
E 自分が本当は何をつくろうとしたか、お互いに確認し合いました。
F 最後に「コミュニケーションをとらないどんなことが起こるか」、また、目標の有無によって結果がどうなるか、話し合いました。

ちぎり絵をつくる様子  他のグループを見て回る様子

<感 想>
● 形は整うけど、お互い不満足さが残るのも、コミュニケーション不足が原因だと思います。
● 最初に主張した人の強さに巻き込まれてしまうと思いました。
● 言葉にしないと何も伝わらないと感じました。
(4)ことばの宝箱 〜 コミュニケーションが人を育む! 〜
グループに分かれ、「うれしかった、励まされた言葉」「すごく嫌だった、やる気を削がれた言葉」について模造紙に書き出し、発表し、全体で共有しました。

<ポイント>
@ 「うれしかった言葉」を今まで使ってきたか、「嫌だった言葉」を今まで使ってこなかったか考えます。

<進め方>
@ グループに分かれ、「うれしかった、励まされた言葉」、「すごく嫌だった、やる気を削がれた言葉」を模造紙に書き出しました。
A 次に、他のグループの書き出した内容を、ギャラリー方式で見て回りました。
B 各グループから、「うれしかった、励まされた言葉」、「すごく嫌だった、やる気を削がれた言葉」の共通項を発表し、全体で共有しました。

模造紙に書き出す様子 発表の様子

<うれしかった言葉、嫌だった言葉の共通項>
「うれしかった言葉」
● 悪い気がしない
● 認められたと感じる
● 自分のことが理解されたと感じる
● 感謝されたとき
● 励ましてくれたとき
● 結果を誉められた
● 自分を指示してもらえる
● 愛情が伝わってくる
● 意気投合ができたとき
「嫌だった言葉」
● 仕事のやる気がなくなる
● 理解されていない
● 偏見や先入観をもった言葉
● 自分を否定された
● プライドを傷つけられる
● 一方的な言葉
● 冷徹な言葉
● 上からものを言う
● 相手に嫌われたとき

(5)効果的なコミュニケーションのコツ〜 相互理解を促進するもの、阻むもの 〜
グループごとに、「伝え手、聴き手にとって大切なこと」や、「相互理解を阻む要因(阻害要因)」を模造紙に書き出し、「伝え手」、「聴き手」、あるいは「双方にとって大切なこと」を確認し、全体で共有しました。

<進め方>
@ 各グループで「伝え手、聴き手にとって大切なこと」、「双方にとって大切なこと」、「相互理解を阻む要因(阻害要因)」を、模造紙に書き出しました。
A 各グループから発表し、全体で共有しました。
<コミュニケーションを行う上で大切なこと、阻害要因>
●「伝え手」
・ポイントを絞る
・変な接続詞を使わない
・相手の反応を確認しながら伝える
・相手の年齢、性別国籍に合わせて伝える
・わかりやすい言葉や表現で伝える
・興奮しない
・主語を明確にする
・専門用語は使わない

●「聴き手」
・理解できないことは早めに確認する
・思い込みで聞かない
・素直な気持ちで聴く
・先入観を持たない
・ポイントをメモする
・相槌を打つ

●「双方にとって大切なこと」
・一生懸命
・相手の立場に立つ
・結論を急がない
・信頼関係

●「相互理解を阻む要因」
・命令的な態度
・決めつけた態度
・感情的になったとき
・相手のことを考えなくなったとき
・場の環境
・話の途中で入ってきて水を差す人
・時間がない

(6)今後の日程及び事務連絡
・第6回の日程:1月25日(金)9:00〜12:00
・ふりかえりシートへの記入
以 上

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