■ ファシリテーターからの説明の要旨

前回のふりかえりと今回のねらいについて

● 前回のふりかえり
前回の笹谷先生のお話で、「フューチャーサーチ」という言葉を覚えていらっしゃるでしょうか。
「フューチャーサーチ」というのは、様々な価値観や立場を持った人たちが集まり、共に共通の未来を探すためにはどうしていったらよいのかという会議の方法です。
「未来を探す方法」と訳しますけれども、一つのことについても賛成派、反対派といったいろいろな方がいらっしゃいますよね。反対派の中にもいろんな考えや価値観を持った方が当然いらっしゃると思います。
この会議の中でも、一人ひとりの価値観は様々だと思います。そんな様々な人たちが、日進において、「自分たちの共通の未来はどんなものだろう」ということについて、立場や考え方、住んでいる年数は違っても、一つの共通の未来を探って行かなくては共生はできません。共通する未来へのねがいは何かを探すための方法が「フューチャーサーチ」です。
それの一番の特徴として、「まずは関係者全員で過去を共有する」というということを笹谷先生からも教えていただいていると思います。
まずは未来のことを考えようと思うならば、「現状分析」や「未来を描く」ことをする前に、「まずは自分たちの住んでいるところの過去を知ろう」というところから始まることが最大の特徴ですけれども、今日は、「日進の過去を共有する」というところに重点を置きたいと思っています。
最初の作業である「前回までのふりかえり」は、今まで私がやってきましたが、今日はグループの皆さん方にその部分をお渡ししていきたいと思います。
10分程度で、第7回までを通して「私がわかったこと」をグループで書き出していただきたいと思います。「印象に残っていること」、「自分自身改めて感じたこと」、「気づいたこと」、「発見したこと」をグループの中で、どんなことでも構わないので模造紙に書き出していくという作業をしたいと思います。
グループの中で一人書記になっていただき、今までを通して「私がわかったこと」を書記の方に伝えて、簡単にまとめていっていただきたいと思います。

皆さんで「わかったこと」、「大事なこと」を共有してきていますが、市民参加が成功するカギというのは、「もうみんなわかっているよね」と思わないことです。
「何がわかったのか」、「何が問題なのか」、「何をやっていかなければ行けないのか」ということを、しっかりと共有していくことでしか、一つのことをつくっていくことはできないと思います。
ある意味、市民参加でつくるということは、時間とエネルギーがたくさん必要だということです。だれかがつくったものをたたき台にして、それを手直ししていくのは簡単ですが、最初から市民参加でつくっていこうと思うならば、時間とエネルギーがかかりますよ、ということを実感していただけるとうれしいと思います。
「時間がないから」と言われますが、3年後にはできていなければいけない計画なので、その中で「どれだけアイデアが出せるか」、「人に伝えていけるのか」ということが、ある意味、市民参加で計画をつくっていくというポイントになると思います。
「ここではもっと時間をとった方がよい」といろいろなところで感じている方もいらっしゃると思いますので、それは来年度から皆さん方で始められる分科会での取組みに反映させていただけるとよいかなと思います。


● 今回のねらい
まずは、第7回までのふりかえりをしたいと思います。
その次に、「未来のための過去の共有」ということを、グループで行いたいと思います。その後に、今日のメインであります、古くから日進の土地に住んでいる方々から、過去の情報を提供していただくということで、それを知っている人も知らない人も、新しい人も古い人も全員で共有してみようということです。それが午前中の作業です。
そのために、昔から日進に住んでいて、「情報を提供してもいいよ」という方々に情報提供者になっていただいて、3つのテーマごとのグループに分かれてお話をしていただくということをしたいと思います。

50分ほどお話を聞く時間を設けてあります。「昔はこうだったんだよ、昔からの移り変わりはこうだったんだよ」と様々な視点からお話をしていただいた後で、2つ目のメインイベントであります、「天白川で楽しみ隊」というグループが開催している芋煮会に合流して、お昼を一緒に食べます。
午後は、「フィールドワーク1」でも行ったように、実際にその場所に行って、「体験を通して実感をしてみよう」、「目で見ながら、情報を得ながら、体験を通して実感をしてみよう」ということをしてみたいと思います。

その際の視点としては、出かけた場所にいるたくさんの方にインタビューをしてくるということをメインにしたいと思います。
その人たちは、「この日進の移り変わりをどう思っているのか」、「30年前の日進を知っているのだろうか」、「今現在の日進をどう思っているのだろうか」、「これから先どうなっていってほしいと思っているのだろうか」といった、私たち以外の人たちはどう思っているのかということを、情報として集めてきてほしいと思います。
その上で、これから私たちが環境基本計画をつくっていくために、「大切にしたい日進の宝ものは何だろうか」、「日進らしさというのはどこにあるのだろうか」、「持続可能な環境を考えていく上で、環境資源、環境の宝ものと呼ばれるものには、どんなものを日進は持っているのだろうか」を共有したいと思います。

午前中は室内で情報を集める、午後からは外に出かけて情報を集めるということをしたいと思っています。
今日のメインテーマには、「環境資源を探す」ということが書かれていますけれども、「一体環境資源とは何か」ということについては、第1回にお配りした用語解説集の中に説明がされています。この用語解説の中では、主に自然資源のことについて書かれていますが、環境資源というのは、自然資源だけではなく、人、歴史、文化といったものも含めた「宝もの」、「ずっとこれから残していきたいもの」と今日は考えたいと思います。
自然資源だけでなく、その他の資源にも視点を広げてもらい、「どんなものが宝ものとしてあるのだろうか」共有できればいいかなと思います。

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