カードによる質問と回答


● 環境とは、どこからどこまでを環境というのか
回答
 環境の定義は様々なので、一概に答えられない。環境基本計画では、狭義の環境ではなく、環境を経済、コミュニティとの関係で考えて、地域の持続可能な発展のために何が必要かと考える中で、必要な範囲と捉えてほしい。

● インターネットを使った環境学習についてもっと知りたい。特に、Web GIS等の利用に関して、どこまで可能か。
回答
 現在、来年度から始まる学校週5日制や、総合的学習の時間への対応を巡って、情報教育と環境教育は、最も重要なテーマとして全国で様々な試みが行われてきている。
 許可を受けた人ならば、誰もが大縮尺(1/2,500レベルで1軒1軒がわかる)の地図上(ホームページで見られる)に自由に書き込み、許可を受けた範囲で自由に見られることが、各地で試作されている。どれだけ子どもや教師に魅力あるコンテンツ(情報の内容)で、簡易で楽しく入出力できるシステムの構築と、それをどう運営していくかが正否のカギを握る。

● 雨水の浸透率について、除草剤使用問題をどのように考えているか
回答
 毒性が強い除草剤は少なくなってきたが、環境ホルモンが疑われている除草剤もある。これらが地下水系に入って、どのような挙動を示しているかについては、不明確な点も多い。
 個別には、その道の専門家の意見を聞くとして、環境基本計画では、環境リスクコミュニケーションの立場に立って、その時点でわかる負の情報を、どのように市民と共有し、対応していくかを位置付けなければならない。

● 将来像と方針を立てる等の人口増加の件をどう考えるか
回答
 1人あたりの二酸化炭素の排出量に換算せずに、地域全体として数値目標を立てたならば、日進のように人口が増加している地域では、かなり厳しく、実現不可能な目標になってしまう可能性があることは事実である。
 よって、数値目標の設定には、1人あたりの原単位を使った方がよい場合もある。ただし、人口が増加するということは、それなりの都市基盤の整備が必要であり、その都市基盤整備は、従来型の自動車依存型の都市構造を目指すのでなく、21世紀型の環境配慮型を打ち出す必要がある。

● CO2の排出削減と野焼きとの関係は
回答
 野焼きのように、処分のための焼却は好ましくない。ダイオキシン類をはじめとする物質の安全な管理やエネルギーの有効利用のためにも、まずは、安全にエネルギーとして利用でき、焼却できる設備でサーマルリサイクル(熱源としての再生利用)を目指すべきである。さらには、ごみ全体の減量化が必要である。

● 今後、ごみ分別についてどのように進めていくのか
回答
 ごみ分別は当然必要だが、全体の長期方針としてのごみの発生抑制策を前提にして、なるだけ無駄な費用が発生しない方法を考えなければならない。

● 日進市は今後、どれくらいの緑を残すのか
回答
 日進市はまだまだ人口が増えるだろうけれど、日本の人口はもうすぐ減少に転じる。
 現在、地価の下落とともに、利便性の高い都心に人口が回帰し始めている。首都圏では顕著だし、京都でも都心回帰がかなり現れている。名古屋への回帰も、たぶんあろう。
 一方、まちづくり・むらおこしに成功した中山間の自治体では、人口が微増に転じた地域もある。では、大都市圏近郊都市の将来を問えば、人口増減の地域間格差が顕著になるだろう。魅力的な緑地が多く、その緑地が市民に使われているコミュニティの健全な都市の人口が適正に増加し、魅力ない衛星都市は人口減に転ずる。ほっておいても人口が増えるのは、これから10年もないということをまず自覚し、魅力的な都市をつくりあげるために、どこまで緑地を残すかの合意をこの環境基本計画で目指すべきである。

● 現在まで、個々で行われてきた活動との結びつきは
回答
 持続可能な発展の考え方を旗印に、該当する既存の活動をうまく結びつけていくべきだし、そのための戦略が必要である。

● 自分たちの活動の評価をどのように出すのか(自分たちの評価の仕方)。
回答
 一般論としては、行政の内部で効率を検討する行政評価システムと、市民が行政の効果(アウトカム)を測定するベンチマーク(ものごとの基準となるもの)がある。これは、総合計画の進行管理ツールであるが、環境基本計画から先行して、環境関連の行政評価やベンチマークを検討してもよいだろう。

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