今日のワークショップについて(まとめ)

● 鎖国ゲーム
「もしも、今日から日本が外国との取引や情報交換を一切しない鎖国状態になったとしたら、私たちの日常の暮らしはどこがどんな風に変わるか」について、ブレーンストーミング※という方法で、グループ内で考え得るだけのことを、他の参加者が出した意見を否定せず、どんどん付け足していきます。
1人で考えても出ないアイデアが、グループみんなで考えると気が付くことができ、さらに6グループで出し合うと最後まで前のグループが言わなかったアイデアが出ました。こうして自分たちのグループで出なかったことを知ることができ、大勢の人たちと一緒に、皆さんが持っている情報、経験、知識から充分に学びあうことができました。それを全員で共有する、自分たちで学びあう可能性はすごいことだと思います。

密接に世界と関わりながら成り立っているのが今の日本ですが、鎖国した場合、日常生活では真っ先に「食」の部分で困ります。今、日本の穀物自給率は30%弱ですが、これを100%にしようとすると日本国内に耕地が1700万ヘクタール必要になります。ところが今、日本の中に残っている耕作可能な土地は500万ヘクタールしかありません。ですから、今から自給率を高めようというのはものすごく大変なことだということです。
1960年の自給率は60%でしたが、2000年になると30%に激減しています。日本人の食生活に密接に関わっている大豆ですら2%の自給率です。先進国の中でこれだけ自給率が低い国は日本をおいて他にないということです。
もう1つ驚異的なことに、70%の輸入の中で40%を残飯として捨てていると言われていることです。

日進の環境のことだけを考えていても、密接に、相互に複雑に、否応なく世界と関わってしまっています。ですから、「世界とのつながり」という視点で環境を見ていかない限り、日進だけの環境を見ていては維持していくことはできないということを考えました。

● 地球の数字 〜 成長と限界 〜
「世界の視点」で日進とのつながりを考えます。この100年間で、世界はどのように成長してきたのか数字で考えてみたいと思います。20世紀は「成長の世紀」といわれ、人口も増加し、穀物生産性も飛躍的に伸びてきましたが、今どんな状況にあるでしょう。
これから質問する内容に対して「このくらいかな」と思う0〜100の数字を予想し、予想と本当の数字はどのくらい違うのかを感じてほしいと思います。

20世紀というのは「成長の世紀」と呼ばれ、人口、生産性、漁獲高など上り調子にありました。しかし、20世紀の終りになって「成長の限界」がきました。今後、人口は80億人を突破すると言われていますが、食物生産やエネルギーに関してはもうこれ以上伸びなくなっています。また、地下水位などは毎年低下しています。中国では、このまま地下水位が下がっていくと、穀物生産は25%減るだろうと言われています。
こうした数字を見てどんな感じがするか、どの数字が印象に残るか、どの数字が私たちに直接的に影響を及ぼすかを考えてほしいと思います。このように、豊かになるのは先進国ばかりで途上国との格差が開いていきました。
もうこれ以上人口以外は伸びていかない状態が、「地球の環境容量の限界」です。

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