今日のワークショップについて(まとめ) |
● 未来を描こう! 〜 個人、地域、地球の10年後、50年後、100年後を描く 〜
各グループの「未来へのビジョン」、「未来への夢」を、具体的に細かく「個人」のことをふりかえることから「地域」と「地球」へつなげ、自分の考えと他人の考えから学ぶこと行いましたが、どんな感じがしているでしょうか。
もちろん環境によい、環境に優しい暮らしができる未来を望んでいることに変わりがないと思いますが、今まで皆さんは10年後、50年後、100年後の未来がどのようになっていてほしいか具体的に考えてみたことがありますか。
「私自身こんなふうに暮らしたい」、「10年後、50年後にはこんなふうに私は生きていたい」と思うのであれば、それが実現できるような地域でないと、どんなに自分がそう生きたいと思っていても、環境がそうさせない場合があります。また、地域がどんなに素晴らしくなっていても、地球全体の中で見たときにそのバランスが悪ければ、決してそれはよい環境として持続できるは思えません。
「今もたくさん環境問題があるし、複雑だし、大変だし・・・」、「10年後も50年後もあまり期待できる未来ではないかも・・・」、「環境の面から見るとそんなに夢を持てといわれても、持てないかも・・・」という感じがあるかもしれませんが、未来に対して希望や夢を持たなければ、今現在の行動の動機付けにはなりません。「だめだよ、どんな努力したって。やっぱりだめ、だめ・・・」と思っていたのではなかなか行動に踏み出せないけれども、「こんなふうになっていてほしい」と思えば、「じゃあ今これをしよう」とか、「あんなことが必要だ」ということが見えてくるのではないでしょうか。未来に私たちが夢を持たない限り、もしかしたら環境はこのままずっと悪化していくかもしれません。具体的な夢を描いて持ち続けることが、動機付け(モチベーション)の最初になるのかなと思いこのワークショップを行いました。
自分の描いている夢と他人が描いている夢がまったく同じだったとはいえないかもしれませんが、共通する部分も見えたと思います。全然違う視点を持っている人がいたかもしれません。違う視点を持った人たちと一緒に未来をつくっていくのであれば、違いを違いとして認めながら「どこで折り合いをつけていくか」を考えるというのが建設的なやり方かなと思います。
● 「20XX年!宇宙船地球号の旅」
皆さんに描いていただく宇宙船の中には、何を持ち込んでいただいても構いません。ただし循環の輪が完結していればよいのですが、果たして皆さん方が持ち込んだものは、使われたあともとのところに戻り、再生利用され、またもとのところに戻るという循環のシステムに乗っているでしょうか。
環境教育の中に「自然界にごみなし」という言葉があります。落ち葉も動物の死骸も全部土に戻り、植物の栄養となって植物が生え、植物を小さな動物が食べて、小さな動物を大きな動物が食べて・・・、という循環になっているので自然界にはごみはありません。
というのも、循環が完結しているからごみがないわけです。
ごみや環境問題が起きるところは、よく見ると循環の輪がとぎれているところだと思います。皆さんが描かれた絵の中に環境がとぎれそうなところがあるならば、きっと今後そこに環境問題が起きます。環境を考えていく中で一番大事なことは、「循環」と「持続可能性」のつながりです。
そこで、地球そのものが密閉され、限られた資源と環境容量の中で人間や他の生きものを養っている宇宙船だと仮定すると、その中がどうあれば100年、200年、1000年と持続可能な旅を続けられるのか皆さんで考えてみました。
環境基本計画をつくるにあたり、自然環境だけ、都市環境だけ、社会環境だけというのではなく、すべての環境の中で「持続可能な環境はどんな環境か」を考えていただくために、このワークショップを行いました。皆さんが描いた宇宙船を見て循環が完結しているのであれば、どんなエネルギー源、資源、食品、人であろうが何があっても持続可能であるということです。しかし、私たちの暮らしの中で、いろいろな環境問題が起きているところはよく見ると循環が完結していません。また、使われたものがどこへいくのかを見ると、いろんなところで循環の輪がとぎれていることがわかると思います。
「それならば、自給自足の原始の生活に戻ればよい」といわれるかもしれませんが、もうそれは無理ですよね。これだけ人工的な、自然の循環に乗らないものをつくってしまったのであるなら、「次に私たちはどうしなければならないのか」を考えていくことが重要なことかな、と皆さんに問いかけたいと思います。