■ ファシリテーターからの説明の要旨

前回のふりかえりと今回のねらいについて
● 前回のふりかえり
日進市は、この3年間で環境基本計画を市民参加で策定するのですが、市民の方にまかせるのではなく、行政も主張しながら、市民と行政とのパートナーシップでつくっていこうという「ねがい」と「ねらい」を持っています。

前回、「私たちが抱えている地域の課題」をグループごとに書き出した際に、環境に関することだけでなく、様々な問題を地域で抱えていることを確認しました。
地域における問題は多岐に渡っており、それらがすべて単独で起こっているのではなく、相互依存の中にあることを確認しました。このことが、市役所の各課にいらっしゃる方々に、基本計画づくりに参加、協力をお願いする理由です。
そうしたつながり全てを網羅した基本計画、行動計画でなければ、今ある環境問題は解決できません。様々な視点を持った環境基本計画をつくっていくために、この「環境まちづくり研究会」を発足しています。
市民の方も、「市民環境ネット」を発足して、この半年間「市民参加」を学んでいます。

他国において環境行政がうまくいっているところを見ると、市民と行政と企業のパートナーシップがうまくいっている国が、当然のことながら環境行政がうまくいっています。そして、環境行政がうまくいっている国には、市民が「市民参加」をしっかりと学んでいる国が多いのです。その点、日本では、市民が「市民参加」型というよりも、権利主張型、行政批判型といった形なので、なかなかパートナーシップという形でやっていこうという意識に欠けているのではないか。欠けているというよりも、市民参加ということを今まで学んでこなかったと言えると思います。
自分たちが主体になることを学ぶ場がなかったので、市民の方にも「市民参加」について、この半年間学んでいただいています。

今までの開発と言うと先進国の経済発展を優先した開発という概念でしたが、「成長と限界」という資料にもあったように、発展途上国の人たちが先進国の人たちと同じようにエネルギーを消費したり、富を追求しようと思っても、それに見合う資源が残っていないため、私たちが生活様式を見直さない限り地球は持続していかないというのが、「持続可能な開発」の概念でした。
開発がいけないというのではなく、何世代後にも環境が持続するような方法で開発を考えていくことです。そのためにはどうするべきかを考えるのが、環境基本計画のねらいの1つでもあります。
アメリカ先住民の言い伝えに、「大切なことを決める際には、7世代後のことも考えて決める」ということわざがあります。
環境基本計画というのは、そういうことではないかと思います。

「環境」というのは、全ての人にとって共有物である、というのがねらいの1つです。また、未来の世代との共有物であることも、環境基本計画のねらいの1つにあります。


● 今回のねらい
今回は、「市役所が担っている役割」、「市役所の中での自分の役割」、「市民と一緒に何ができるか」について、そのメリットとデメリットを考えていただきたいと思います。
これから全7回を開催していく中で、市民とどう関わり、どう協働していくのかということもイメージしていただけるとよいかなと思います。
その上で、「環境まちづくり研究会の役割」を考えたいと思います。

その前に、まず、前回までの環境まちづくり研究会で行ったワークショップで、印象に残っていることを3つ書き出してください。次に、個人として、「市役所の仕事を通して何を実現したいのか」、「何のために市役所の仕事をしているのか」を書き出してください。
各自、5人の方とお話をしていただき、「市役所職員としての私のビジョン」を共有していただきたいと思います。

基本計画づくりにおいて、「なぜ」ということを確認しながら、今後も活動していくことが大事だと思い、その確認のための作業を行いました。そうすることによって、今後の活動につながっていくかなと思います。

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