第10回「コミュニケーション・
スキルアップ講座 2」


〜 対立は悪くない 対立を超えるコミュニケーション 〜

* と き:平成13年12月16日(日)10:00〜16:00
* ところ:AHI(アジア保健研修室)
* 参加者数:24人、一般参加者7人、事務局3人、コンサル3人

ねらい
● 対立を定義し、対立の特徴と原因についての理解を深め、暴力に訴えることなく対立を解決していくための建設的な技能を身につけ、人間関係の中で培った「対立の解決力」を、より広い世界の対立について考えるステップにすることです。
プログラムの流れ

(1)前回のふりかえりと今回のねらい
ファシリテーターの山中から、前回のふりかえりと今回のねらいについて説明しました。

<前回のふりかえり>
○「一体何のためにコミュニケーションするのか」、「私たちは今までどんなコミュニケーションをしてきただろうか」をふりかえりました。

<今回のねらい>
○どうやって「対立」と向き合えばよいのか、「対立」を定義し、特徴を理解し、分類などを行って、どんな解決方法があるかを論理的に学び、自分たちで解決して行く方法を学びます。
(2)「伝える」と「聴く」 〜 1分間スピーチと傾聴 〜
2人1組になり、「コミュニケーションを学ぶのは何のためだと思いますか?」を1分間のメッセージにまとめ、お互いに発表し合いました。

<ポイント>
@ 話し手は、自分の言いたいことがきちんと相手に伝わるようにします。
A 聴き手は、傾聴のルールとして次のことに注意して聴きます。
・相手に質問しないで話を聴く
・全身で共感を表しながら聴く
・相手に心を寄り添わせながら聴く
・聴いたことを相手にきちんと伝え直す

<進め方>
@ 2人1組になり、話し手と聴き手を決めました。
A 話し手が、自分の意見を1分間で相手に伝えました。
B 聴き手は、45秒で聴いたことを相手に伝え直しました。
C 最後に、相手に間違って伝わってしまった部分を伝え直しました。

傾聴の様子 @ 傾聴の様子 A

(3)「対立」とは何か?
ファシリテーターの山中より、「対立の定義(当日配付資料)」について説明を行いました。
その後、グループに分かれ、気づいたことを用紙に書き出しました。
<対立の定義>
@ 2人またはそれ以上の人間の間で起こる口論または意見の不一致のこと。
A どちらか片方が不愉快であると感じた場合も対立であること。
(4)「対立」はどこにあるか? 「対立」を分類する
グループに分かれ、「どこで対立が生じるのか」について模造紙に書き出し、分類し、全体で共有しました。

<ポイント>
@ 次に挙げたような視点で、「対立」を考えます。
・物、価値観、好みの違いによる対立
・大きな対立、小さな対立
・早く解決できる対立、解決までに時間がかかりそうな対立

<進め方>
@ グループに分かれ、「どこで対立が生じるか」を思いつくだけ模造紙に書き出しました。
A グループごとで、対立の分類を行いました。分類方法は、各グループで考えました。
B 各グループがどのように分類したのか、ギャラリー方式で見てまわり、全体で共有しました。
 ※「対立はどこにあるか? 対立を分類する」のまとめ

模造紙に書き出す様子 各グループの模造紙を見て回る様子

(5)ロールプレイで「対立」の特徴を理解する
各グループに分かれ、「対立」についての寸劇をつくり、発表しました。
その後、各グループの寸劇について「対立を解決させない理由」、「激化させる理由」を各自で書き出し、発表し、全体で共有しました。

<ポイント>
@ 「対立の特徴」には、次に挙げたようなものがあります。
・自己中心的で、相手のことを考えていない
・相手に対する感謝や思いやりがない
・リーダーシップを取る人がいない
・計画的ではない
・自分の権利を主張する
・無責任
・相手に信頼を持っていない
・きつい言い方
・歩み寄る姿勢がない
A 対立は解決しようと思わない限り、激化します。
B 激化するのと同時に感情も高ぶるため、解決が難しくなります。
C 対立には激化させる行動パターンがあります(売り言葉に買い言葉)。
D「あなたメッセージ」で話すと対立が激化しやすいが、「わたしメッセージ」で話すと攻撃的になりません。

<進め方>
@ グループに分かれ、全員で「対立」をテーマにした寸劇のシナリオを考えます。
A 各グループ内で寸劇の役者を決め、3分程度の寸劇を演じます。
B その後、各自で「対立を解決させない理由」、「激化させる理由」を用紙に書き出します。
C 各グループで演じた「対立」について、「あなたメッセージ」と「わたしメッセージ」を考え、用紙に書き出します。

寸劇の様子 @ 寸劇の様子 A

(6)「対立」の6つの扱い方
各自に「対立の場面(6パターン)」を配布し、配布された「対立の場面」のパターンが「対立の6つの扱い方」のどれに当たるかを考えます。

<対立の6つの扱い方>
@ 攻撃する。
A 協働する。
B 妥協する。
C あきらめる。
D 避難または後回しにする。
E 権威に訴える。
(7)みんなでバカンス
各グループに分かれ、「10日間好きな所に滞在できるとしたらどこに行くか」全員で話し合い、1つに決めました。
その後、「対立の解決方法」について、ファリシテーターの山中より説明を行いました。
<対立の解決法>
@ 「対立の解決方法」には、次に挙げた3つのパターンがあります。
・「ウィン・ウィン型」:当事者全員が目標を満たす方法
・「ロス・ウィン型」「ウィン・ロス型」:一方だけが満たされる方法
・「ロス・ロス型」:お互いに満たされない方法
A 最終的には、「ウィン・ウィン型」を目指しますが、そのためには「要望」と「本心」を見極めることが大切です。
(8)「対立」を緩和するスキル
ファシリテーターの山中より、「対立を緩和するスキル」について説明を行いました。
<ポイント>
@ どれだけ「ウィン・ウィン型」を目指せるか。
A 「要望」と「本心」の合意できる場所を見つける。
B 自分の「要望」に固執しないで、どれだけ「わたしメッセージ」で意見を伝えることができるか。

<感 想>
● すごく勉強になりました。仕事と家庭でも、今日勉強したことを活用したいです。
● ほぼ毎回、出席させていただいています。物事を客観的に眺め、自分の考えを述べることが大切だと思いました。
● 自分の本性が客観的に見られてよかったなと思います。


(9)今後の日程及び事務連絡
・第11回の日程:平成14年1月11日(金)19:00〜21:00
・ふりかえりシートへの記入
・忘年会を、里山ワンダーランド「くるりん村」にて実施
以 上

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