■ファシリテーターの説明の要旨

前回のふりかえりと今回のねらいについて

● 前回のふりかえり
第5回は、皆さんと一緒にまちに出て、実際に日進の市の中を歩いてみようということで、一日をかけたワークショップを行いました。実際に外へ出かけて行く前に、これから100年先、200年先、300年先でも環境が続いて行くためのいちばん重要なキーワードである「循環」を皆さんと一緒に考えるため、「人間コピー機」といったゲームを行い、空気、水、食べ物、生態系の循環、食物連鎖を皆さんと考えてみました。

空気、水、生態系、食物連鎖が循環の輪をとぎれさせていなければ、環境はいつまでも持続します。しかし、人間の活動が自然と接するときに、循環の輪を切るようなものであるとすれば、そこに環境問題が起こってきます。例えば工場排水、大気汚染、大量生産、大量消費、大量廃棄などという今のものの使い方というのも循環をとぎれさせている要因であることを確認しました。ここでの大事な共有事項として、「環境が持続していくためには、循環の輪を私たちの活動がとぎれさせないことが一番大事」ということを確認しました。

その上で、実際にいろいろな視点を持ってまちを歩いてみようということで、4グループに分かれて"くるりんバス"に乗り、それぞれの場所を見てきました。見るだけでなく、その地域にいる人にインタビューしたり、自分が「いいな」と思う場所、「ここは問題に感じるな」と思うようなところを捜しながらその地域を見てきていただき、調査地域ごとの情報地図にまとめました。自分たちで撮ってきた写真や、「そこにどんなものがあったのか」、「知らなかったもの発見した」などを地図上に起こしました。

「実際に歩いてみると、私たち日進に住みながらけっこう知らないことって多かったよね」ということの確認ができたり、「"くるりんバス"というものに乗ったのが今回初めてだった、これってけっこう市民の足として便利なものだったね」というような声が聞かれたり、実際にまちを歩いている人たちに話を聞いてみると、私たちは自然保護をしたいと思っているのだけれど、「いや、もっと便利になると嬉しい」と思っている人がいたり、日進の中にはいろんな人たちが暮らしていて、その人たちの考えというのも十人十色です。
しかし、環境基本計画をつくるときには、ここに集まった人たちの価値観だけではなく、ここの場に来ていない人たちの想いも反映したような、どこで開発と自然保護の折り合いをつけていくのかということも考えながら基本計画をつくっていく必要があることを皆さんと一緒に考えました。

● 今回のねらい
今日は、「共生のまちづくり」という2時間のプログラムを用意しています。今まで地域に視点をおいて考えてきたのですけれど、今日は、地球のかかわりという視点から日進というまちを見てみましょうというプログラムです。ねらいは2つです。1つ目は、地域にあっても、地球という視点からみても、現代の社会においては人もモノも相互に複雑に依存しながら存在していることを理解して確認し合いたいということです。2つ目は、持続可能な環境のための環境指針として、地球サミットという会議で確認された世界的な合意事項を知るということです。

環境基本計画をつくろうというときに、どこで自然保護と開発との折り合いをつけていくのか、何か1つモデルになるような数字的な指針があったらイメージがしやすいかもしれないと思います。
第7回では2時間を使い、「環境基本計画とは何か」、「市民参加でつくることの意義」について、大学の先生にお越しいただき、専門的な講義を用意しています。
それに先駆けて、また、いろいろな知識や情報がほしいという方もたくさんいらっしゃったので、今日は少しだけ、「地球的な視点」、世界的合意事項である「環境指針」についてお話しをしたいと思います。

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