市民会議の進め方について(山中より)

● 市民会議第1段階(平成13年度)のねらい

環境基本計画を作りあげるという実質的な目標の他に、計画作りが終わった後も、それぞれが地域で持ち味を発揮し、学び合いながらコミュニティー作りのために共働できる… そんなネットワークが広がり深まることを願っています。
「市民会議第1段階」の半年ぐらいは、主体的かつ具体的な活動を進めていっていただくにあたり、大切な基盤作り共通認識作りの「学び合い」期間として設定いたしました。異なる他者の異なる意見や経験から学ぶ。環境概念を学ぶ。環境から学ぶ。参加の技術(話し合いの技術、まとめの手法等)を学ぶ。市民会議に直接参加しない人を含めた個人の願いを大切にしながら、なおかつ日進市民共通の願いを探り、市民会議の目標と役割を明確にし、実現に向けて動き出すためには、構造的段階的なテーマ展開をしながら、お互いから学びあう場が不可欠であると考えます。第1段階はそのような学びの場を提供します。

● 第1回市民会議のふりかえり
第1回は、今後参加型で進んでいく第1段階の「場」の雰囲気を参加者につかんでもらい、どんな人がどんな関心を持って来ているのか、そして、現段階でそれぞれが持っている環境基本計画へのイメージはどのようなものかを確認しました。
関心も、バックグランドも、認識も、経験も多様な人々が、限られた時間の中で集まり、一つの共通の目的に向かって共働していくためには、参加型(ワークショップ)という手法は効果的です。誰もが自分の経験と意見を持って関わることができ、発言する機会が保証されます。しかしながらそれは、誰もが言いたいことを言いたいだけ使える時間を確保できるということではありません。考える時間、考えを伝える時間、人の考えを聴く時間、同じ所違う所を確認し、共通のものを作り出す時間の管理はある程度必要です。
そういった制約も加味しながら、第2回以降のプログラムを共に進めていきたいと思います。


<市民参加とワークショップ>

環境行政のうまくいっている国の特徴をみると、行政と市民、企業が、それぞれの主張をきっちりと出し合いながら、合意点に向けて主体的に共働しているのが特徴です。権利主張型ではなく、行政、或いは市民や企業批判型ではなく、それぞれの立場を持ちながらも、歩みよれるものを探る。共通の未来を見つける作業にエネルギーをかける参加型、提案型が特徴です。 
そこには主体的な参加、責任ある参加が不可欠です。直接的な参加だけでなく、さまざまな形で、様々な人々が責任を持って関わることのできる工夫が必要となります。誰かがやってくれると思っていると誰もやってくれなかったり、人任せや言いっぱなしにしておくと、自分の考えていたのとは丸で違う結果になっていたり・・・。参加の形が社会の形を作るのです。どんな参加の仕方があるのか、どんな参加がどんな社会を創るのか。お互いの経験や知恵から学びあえることは多いはずです。
ワークショップは、対等な関係で集まった人々が共通のテーマで考えを深め合い、気付きを行動へつなぐプロセスを提供します。近年、学校教育においても、社会教育においても、参加体験型学習(研修)への関心が高まっていますが、参加して学ぶことの良さは第一に「楽しく学べる」ということです。人は「楽しい」と感じる、信頼に満ちた自由な雰囲気の中で、最も多くに気付き学べると言われています。
また「自ら考える」「協力して創り出す」ことを繰り返し体験する中で、コミュニケーションの力、分析的な思考力、合意形成能力、課題解決への意欲と技術が養われることをねらいとしています。

というわけで、お互いから学び合いながら、本当の意味で「わたしたちの環境基本計画」と言えるものを創り上げ、その計画が地域で実際に実行されていくプロセスを作りましょう!今後も、そのつどプログラムの展開を修正しつつ、第1段階のねらいが達成でき、第2段階につながるワークショップを提供して行きたいと思います。 どうぞよろしく!

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