■ コンサルタントからの説明の要旨

アンケート調査の結果分析 概要(川合より)
 今回配布した資料の前半は、市民アンケートの結果をクロス集計したもののうち、日進市の特徴が出ているものを選んで載せています。後半は、市民・こどもアンケートのうち、自由記入していただいた「大切にしたい場所」の回答を、学区別に分類し、一覧にしてあります。

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 コミュニティを考えるうえで重要な住宅形態の割合を、小学校区と居住歴別に見ると、大きな特徴があります。梨の木小学区は、集合住宅(持ち家)77.3%・(借家)11.4%で、約90%近くが集合住宅に住んでいます。香久山小学区も半数近くが集合住宅に住んでいます。この結果と同じく、新興住宅地に住んでいると思われる「平成元年以降に転入」した人は、約半数が集合住宅に住んでいます。

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 問2.ア)環境問題についての関心では、年齢が高くなるほど、「大変関心がある」と答えた人が増えています。
 問2.イ)関心のある環境問題の上位7位を比較すると、若干の男女差があります。女性の1位は「樹林・里山の緑環境の保全」、男性1位は「川や池の水環境の保全」。特徴的なものとして、女性4位「食環境の改善」、男性6位「ごみの不法投棄や犬猫のフン害削減」があります。

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 問2.イ)関心のある環境問題を年齢別に比較してみると、「生活道路・歩道の安全や快適さの確保」「ごみの不法投棄や犬猫のフン害削減」は年齢が高くなるほど関心も高く、「地球温暖化など地球環境問題の改善」「ごみの減量・リサイクルの推進」は年齢が低くなるほど関心が高くなっています。他の関心事項をみても、身近な問題ほど高齢の方に関心が高く、地球規模の大きな環境問題ほど若年層に関心が高くなっているといえます。

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 問3.身近な環境の満足度と重要度について、学区ごとに平均値と比較してグラフ化しました。◇が平均値、●が学区のポイントです。→が長くなればなるほど、平均値と離れていることになります。
 西学区は、大気、音環境の満足度が平均よりかなり低くなっています。自由記入欄にも、この学区の回答者から「暴走族が多い」という声がありました。これらは、近くに153号が走っていることに関係があると思われます。
 東小学区は、自然環境の満足度は高いのですが、快適環境は低くなっています。これは、道路の整備状況などに関係があると思われます。
 北小学区は、おおむね平均的な数値になっています。
 南小学区も平均的ですが、音環境の満足度が高いのが特徴です。
 相野山小学区は、全体的に満足度が平均より高くなっています。特に、音環境・自然環境の満足度が高いことと、公共交通の満足度が低く、重要度が高くなっているのが特徴です。
 香久山小学区は、総合環境の満足度が0.33と一番高く、ほとんどの項目の満足度が高くなっています。
 梨の木小学区は、美化・公共交通環境を除き、ほとんどの満足度が平均より低くなっています。
これらのグラフから、地域別の特性や人々の環境に対する意識が読みとれるので、今後、地域別の対応を考える上で参考になるかと思います。

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 問6.エ)東部丘陵保全のために10年間で寄付できる金額を全市民に換算してみました。あくまでアンケート結果をもとに試算したものですが、10年間の寄付総額(予想)は、約5億6千万円になりました。

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 問7.ウ)多自然型の護岸整備を望む人は、年齢が高くなるほど多くなります。これは、自然な護岸の良さを知っているからではないかと思われます。

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 問9.水に関する環境行動や他の環境行動でも、ほとんどの項目で、年齢が高くなるほど実行率も高くなっていますが、「風呂水を洗濯などに使う」など例外もあります。

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 問11.ア)環境危機への実感がない人は、年齢が高くなるほど多くなります。環境行動の実行率が高齢の方ほど高くなる一方、3ページ、問2.イ)の結果と同じく、地球規模の大きな環境問題への関心は低くなる傾向が読みとれます。

 問12.省エネルギーをしている理由は、若い人ほど「家計費を節約するため」が多く、高齢の方ほど「環境を考えて」が多くなります。今後、省エネルギーを推進するためのアプローチ方法を考える上で、参考になる結果かと思います。

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 問13.省エネルギー行動の実行率を、環境問題の関心度により比較してみました。当然の結果といえますが、環境問題に関心のある人ほど、実行率も高くなります。今後、環境問題への関心を高めていけば、結果として省エネルギーの実行率も高くなっていくことにつながります。

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 問19.イ)たばこの吸い殻やごみのポイ捨て経験の有無は、唯一男女差が顕著に表れた結果になりました。たばこの吸い殻のポイ捨て経験による差ではないかと思います。

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 問21.ア)市民主体・市職員共働の環境基本計画づくりについては、年齢が高い方ほど、また環境問題に関心がある方ほど、「知っている」と答えた割合が高くなりました。

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 問22.ウ)身近な環境問題が生じたとき相談した相手は、若い人ほど「家族」や「相談したことがない」と答えた方が多く、高齢の方ほど「自治会・町内会」「区」と答えた方が多くなっています。高齢の方ほど、自治会・町内会を身近に感じている結果といえるでしょう。

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 問22.エ)区、自治体・町内会を、地域のことを一緒に考え良くしていく共同体と思うかについては、高齢の方ほど「思う」と答えた方が多くなっています。
 問22.カ)小学校区単位の「新しいコミュニティ」の必要性について、問22.エ)の結果と比較しました。既存の自治会や町内会を共同体と感じている方ほど、さらに「新しいコミュニティ」を必要としているという傾向にあります。現在のところ、「新しいコミュニティ」づくりは、無関心層の関心を掘り起こすことにつながっていないようです。

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